どんな国家設定がNGなのだろうか 「KY設定」と罵るよりも基準を提示した方が新規のためでもある


- 箱国 Tips! -


 【国家設定とは】

 報道・外交を通じた国家間のロールプレイングを楽しむ上で、必要不可欠な要素です。


 【設定の作りのコツ - 「デチューン」】

 ただひたすら設定が強いだけの「なんちゃって大国」に魅力は全くありません。長所だけではなく短所もしっかり用意しましょう。
 例えば、「資源的に非常に恵まれており国民の殆どが公務員という富裕国だが、それゆえに国民は怠惰で政治的に無関心、独裁政権を許容し、国防は極めて脆弱」とか、「鉄鋼の採掘量も膨大で、大規模で強力な軍事力を有しているが、一方で食料自給率は極めて低く、常に軍事力で三流国家から搾取せざるを得ない」とか、そういう所謂「デチューン」が必要です。
 完全無欠のヒーローより、弱点があって人間味あるヒーローの方が魅力的ですよね。
 もちろんですが、これらとゲーム上の国家のパラメーターが著しく乖離しているというのは「論外」であり、「ただの妄想」に過ぎません。


 【既存の設定の活用】

 初心者の場合、全ての設定を新たに作りがちです。
 しかし、あくまでもあなたの国もヴァレフォールという世界観の一片に過ぎず、全てを新規にした国家設定というのは一切の説得力を有しません。
 例えば、あなたの選んだ地域に存在する他国の設定から、居住する民族の設定を拝借してみてはいかがでしょうか。言語も公用語を同地域の大国と同じにしてみたり、共通通貨導入や兵器の輸入をさせてもらえば、経済や文化的交流が促進され、あなたが他国と友好関係や貿易協定を結ぶ上で非常に有利になると思います。
 また逆に、同地域の他国の民族を少数民族や移民として設定しておけば、後に対立関係を楽しめたりして面白いかもしれません。


 【「ゲルマン民族最高」「ウリナラマンセー」】

 あなたの国の外交官や国営放送が「我が国は史上最強、完全無欠の超大国です」と言うのは、自由です。
 ですが、それは実際の設定たり得ません。プロパガンダと実情は異なります。
 プロパガンダは自由ですが、あくまでもゲーム上のパラメーターを基に、設定wikiには事実を書きましょう。仮に素晴らしい経済体制を豪語しても、この世に完全な体制など存在し得ません。社会問題や今後の課題などを付記しておくだけで、現実味と説得力が増します。これも「デチューン」に通じるものがありますね。
 国土も経済もボロボロで、兵器も全てモンキーモデルとデッドコピーなのに、これで「強盛大国」を名乗るのは、とっても悲壮感漂っていていいカンジですね。
 もちろん、プロパガンダには「嘘だッ!」と他国が報道などで言ってあげて下さい。ここから報道合戦が始められるんですね。


 【とりわけ兵器設定つれづれ】

 他の項目でも触れたのでいいとは思うのですが、兵器設定に関する注意です。世界でスタンダードに使われるような兵器は、基本的には、国家と中の人、この二つの条件が満たされていることが必要です。
 というのも、軍事力と兵器輸出の大御所は大国であるはずです。また中の人にある程度の軍事に関する知識がなければ、真っ当な設定は作れません。この二つを備えてこそ、初めて兵器の設定を作り、輸出できるようになるとお考え下さい。
 これらの条件を満たしていない場合は、多国間共同開発を掲げ、軍事に詳しい中の人がいる国に開発に加わっていただき、妥当な設定を作れるように心がけましょう。
 「既存の設定の活用」の繰り返しにもなりますが、兵器の設定は前述した二つの条件を満たした大国からの輸入がもっとも妥当で、簡単で、世界観を損なわない最良の手段であると言えます。
 輸出入については、イデオロギーと強い結びつきがあります。規格から整備まで、三洲圏とディルタニア連邦圏では全く隔たりがあります。両圏の兵器を並立して輸入、運用することは現実として不可能であることを肝に銘じて下さい。
 例外として「空軍教導団のアグレッサー(仮想敵部隊)として三洲製戦闘機を導入する」というのは許容範囲でしょうし、戦闘機等が規格の差を越えて運用されることが問題なのであって、イデオロギー的に薄い国が妥当な説明さえできれば「基本的には陸海軍は三洲製兵器を使うが、空軍にはコストパフォーマンスに優れたディルタニア連邦製戦闘機を採用する」などという変態設定も可能といえます。


 【こんなのはNG】

 「分断国家」というと聞こえはいいですが、1人でそれを演じるとどうなるでしょう。国際会議場で、あなたは南北の役をそれぞれ演じるつもりでしょうか。そんなものは「ロールプレイング」ではなく単なる「独り言」に過ぎません。
 「連邦国家」というのもこれと同じで、合衆国や中央集権の体裁をとるならともかく、構成国の自治権が高度に発達した連邦である場合も、他者からは萎えるだけの「独り芝居」に見える恐れがあり、推奨されません。
 ただし、こういう「分断国家」や「連邦国家」を、多人数で演じる場合は、前述の注意は気にする必要がありません。南北の対立も、構成国間の政治的動向も、非常に魅力的に映ることでしょう。


 【歴史の連続性 - 後継国家について】

 過去にあった国の後継国家を演じるのも面白いでしょう。過去の国の設定や国際的地位等もある程度、継承できるかもしれません。基本的に本人または管理人の承諾を必要とします。
 また、存在していなかった国を捏造して、「(それを継承しているので)大国だ」と言い張るのは止めて下さい。世界観を著しく損ないます。
 存在していなかった国の後継を演じられるケースがあるとすれば、それは例えば「我がシェイフィナリア王国はフェナス、専守連邦、三洲の植民地統治を経て、シェイフィナリア列島共同体として独立する」のような、「国際社会に認知されないほど取るに足らない、鎖国していて三流国家があって、その国家が開国なり独立宣言なりしてデビューする」というケースに限られてくると思います。


 【さいごに】

 他の国の設定なんかを読んでいれば、大体の感覚は掴めるとは思うんですがね。それでもわかんないっ、って方のためにあえて詳述しました。萎え設定の国は他国から攻め滅ぼされてしまうだけなのでぶっちゃけ別にどうでもいいのですけど。
 ただ、「設定が萎えるからリンチして是正」、というのは周りは戦争を始めるまでは不快感を耐えることになりますし、萎える設定を作った本人にとってもすんごい哀れですよね。
 外交やイデオロギー的な対立の末に戦争というのが本来的にはみんな一番楽しいと思うので、そこんとこは了解して設定を作って欲しいな、とは思います。